本店の正面一番奥の壁に、

「喫茶去」と書かれた額が飾られているのをご存知でしょうか?

これは、禅の教えを短い語句に凝縮した「禅語」の中のひとつの言葉です。

15世紀後半、茶道の祖といわれる村田珠光という人が、

禅の思想を基にした茶の湯の基礎を作り、その精神が千利休に

受け継がれていくのですが、そのような流れもあってお茶と禅語は深い関係にあり、

抹茶や煎茶などのお茶会の席では様々な禅語の掛け物が飾られます。

さて、「喫茶去」の意味ですが、「喫茶」は、お茶を飲むこと、

「去」は、去るではなく「行く」という意味で、

「まあ、お茶でも飲みに行こう」といった意味になります。

さらに、お茶を飲むという日常のごくありふれた行為、

そうした日常茶飯事の中にこそ、

実は本当の真理があるのだという意味も秘められているのだそうです。

お茶は和の心そのもので、和の心とは「思いやりの心」です。

「思いやりの心」こそ日常の中の人にとっての本当の真理かもしれませんね。


これから少しずつ秋の空気に入れ替わり、
急須で丁寧にいれる温かいお茶のおいしい季節になります。
静かに心落ち着いて、一服のお茶を喫する時間を
過ごしてみてはいかがでしょうか?

樋代

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